過去には全国1位のぶどう栽培面積!?大阪とぶどうの関係
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目次

大阪とぶどうの歴史的なつながり

大阪で「ぶどう栽培」と聞くと、意外に思われる方も多いかもしれません。

しかし、約100年前の大阪は、全国で最もぶどうの栽培面積が広かった地域の一つだったようです。なぜ大阪がぶどうの一大産地となったのか、その背景について調べました。

柏原市を中心にぶどう栽培が発展した理由

大阪府内でも特に 柏原市、羽曳野市、太子町 などの河内地域は、ぶどう栽培に適した気候を持っています。具体的には、以下のような要因が影響しているかと思います。

降水量が少ない

ぶどうは乾燥には強いですが、過剰な雨に弱く、病気の原因となるため、雨が少ない土地は栽培に適しています。

昼夜の寒暖差が大きい

昼間の温度が高く、夜は冷える環境は、ぶどうの糖度を上げ、甘みの強い果実を育てるのに理想的です。

これらの条件が整っていたため、柏原市を中心に大阪府内でのぶどう栽培が盛んになっていったそうです。

流通の利便性

大阪のぶどう産地である柏原市や羽曳野市、太子町などの河内地域は、大阪市内や神戸市に近接しています。

特に、近鉄電車の路線網が整備されていたため、山梨県などの遠方から運ぶよりも、近鉄電車を利用して大阪市内や神戸へ迅速にぶどうを出荷することが可能でした。

この流通の利便性も、大阪でのぶどう栽培が盛んになった要因の一つです。

これらの要因が相まって、大阪は一時期、全国有数のぶどう産地として栄えたそうです。

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気候の特徴

大阪府の河内地域は、瀬戸内式気候に属し、温暖で降水量が比較的少ないのが特徴です。特に、柏原市、羽曳野市、太子町などは府内でも雨が少ない地域とされています。

ぶどうは乾燥には強いものの、過剰な降雨に弱く、病気の原因となることから、夏に雨が少ない気候が適しています。

また、昼夜の寒暖差が大きいことも、ぶどうの糖度を上げ、甘みの強い果実を育てるのに理想的です。これらの気候条件が、大阪でのぶどう栽培を支える重要な要素となっています。

ぶどうはかつて「高級品」だった

現在でもぶどうは高価な果物の一つですが、昔のぶどうは お米の10倍以上の価格 で取引されていたそうです。高級品であり、裕福な人々にしか手が届かない贅沢品でした。

今も高級なぶどうの種類は沢山ありますが、デラウェアなどは1パックで400円ほどですし、スーパーでも600円ほどで販売していて、イチゴなどと同じくらいの価格になっており、昔に比べると手に入りやすいのかなと思います。

昔はバナナなども高級品だったと思いますので、全体的にフルーツは貴重で高級品だった印象ですね。

こうした背景のもと、 国の政策として甲州ぶどうの苗木が大阪府に配布され、ぶどう栽培が本格的に始まりました。その後、流通の利便性や気候条件の良さが相まって、大阪はぶどう栽培の一大産地となったのです。

現在の大阪とぶどうの関係

かつて全国1位のぶどう栽培面積を誇った大阪ですが、現在では全国第9位の収穫量となっています。

それでもなお、大阪府内には 代々ぶどう栽培を続ける農家が多く存在し、現在もさまざまな品種が栽培されています。

大阪のぶどう生産の現状

大阪府は現在も 全国第9位の収穫量(約5,140トン) を誇り、特に デラウェアの収穫量は全国第3位 となっています。大阪で主に栽培されているぶどう品種には以下のようなものがあります。

  • デラウェア(大阪の主力品種)
  • ピオーネ
  • マスカット・ベリーA
  • シャインマスカット
  • 甲州
  • ネオマスカット
  • マスカット・オブ・アレキサンドリア

最近はシャインマスカットやピオーネなどの巨峰を並べられている直売所も多く見かけます。皆さん本当に丁寧に綺麗に作られていますので、岡山や山梨と比べても遜色ないのかなとも個人的には思っています。

山梨や岡山の畑を見学にも行かせて頂きましたが、とても巨大な農園が多い印象で、大阪は比較的山手の小さいぶどう畑が点在しており、住宅地に変わってしまった部分もありますので、収穫量はそこまで増えないのかなと思います。

ぶどう栽培が減少した理由

大阪のぶどう栽培が全国1位の地位を失った背景には、 1959年や1961年の台風による被害 が大きく影響しているようです。

また、近年では色々な作物を栽培されている農家の方と同じ様に、ぶどう農家にも以下のような課題があるかなと思っています。

農家の高齢化

後継者不足により、ぶどう栽培を続ける農家が減少。かなり山の中で斜面が厳しい畑などは体力的にもかなり厳しい場所も多いのが現状かなと思います。特にしばらく放置されていると、再開するにしても修繕などがかなり大変です。

自然災害

近年の異常気象により、大雪や台風でビニールハウスが倒壊し、そのまま廃業するケースも。台風でビニールハウスが飛んでしまったら、絶望する自信があります。

農地から宅地へ

高齢化や後継者不足の問題もあると思いますが、小規模な畑が点在しているケースが多く、管理出来ない部分を宅地として販売されるケースも増えているのかなと思います。

大阪ぶどうの未来

そんな中でも、大阪ぶどうの未来を担うやる気のある若い農家たちが増えてきている という明るい兆しもあります。

新しく就農したい方にとっては、農地の確保や数年間の収入の確保などかなり乗り越えないといけないハードルがあるのかなとは思いますが、これまで代々続けられてきた、ぶどう園の跡取りの方が、引き継ぎ代替わりも進んでおります。

伝統的なぶどう栽培を守りながら、現代のニーズに合わせた栽培方法を模索したり、テレビに出演されたり、市内でマルシェを開催されたり、より魅力的な大阪ぶどうを広めようと努力されている方も多い印象を持っています。

私たち いぬいぶどう園も、大阪ぶどうの魅力を発信し、少しでも自然環境に貢献できるような活動が出来ればなと思っています。

大阪ぶどうの歴史を知っていただき、少しでも興味を持っていただければ嬉しいです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

ご覧くださりありがとうございました!

参考

https://www.pref.osaka.lg.jp/o120160/chubunm/chubu_nm/fq-budositumon.html?utm_source=chatgpt.com

https://minorasu.basf.co.jp/80950

https://storage.osaka-takken.or.jp/prod/public/magazine/TM2023_11-12_8a6beafe27_5f9883e713.pdf

https://wa-syu.com/blogs/feature/wine_regions_of_japan_osaka?srsltid=AfmBOortM9N1wvl-J4yrJfgjQ33cNTJXI1EsSfyRsyTBtCejEZZlWIxN

https://www.nta.go.jp/taxes/sake/hyoji/chiri/210630_osaka_besshi01.htm

https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/12893/04-2rokusyou2.pdf

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