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今年3度目の無煙炭化器を使用して枝を焼いて炭を作っております。2回目は火を消せず、炭がほぼ灰になってしまいましたが、3度目はかなりいい状態で炭が出来たと思います。
作業をしている時に、導入したモキ製作所の無煙炭化器がなぜ燃焼効率が良く環境に良いと言われるのか、理由がとても気になったので、色々調べてみました。
ということで、無煙炭化器の興味深い仕組みについて掘り下げてみたいと思います。
目次
モノが燃える仕組みについて
燃焼(ねんしょう)とは、燃料(可燃物)と支燃物(典型例は空気中の酸素分子)とが激しく化学反応する酸化還元反応である。光や熱の発生を伴う。
燃焼に必要な支燃物は、空気中の燃焼であれば主に酸素分子がその役割を果たすが、適切な酸化剤と還元剤の組み合わせ(火薬類など)が存在する場合は、酸素分子の供給が無くても燃焼は起こる[1]。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%87%83%E7%84%BC
酸素との反応で燃えるという事が起きると書かれています。
無煙炭化器を使うと?
酸素が少ない状態で燃やすことによって
独自の形状は縁で渦を巻くように燃焼する特徴的な対流燃焼を発生させます。
https://www.moki-ss.co.jp/blog/tankaki-howtouse
この対流燃焼により外に出ようとした未燃焼ガス(煙)が再度引き込まれ再燃焼することにより煙が少なくなるのです。
また、この対流燃焼にステンレスの反射熱も加わって、器の中が800℃~900℃の高温状態となることにより、炭が短時間で大量に生成できます。
木の主成分は?
木材の主要成分はセルロース、ヘミセルロース、リグニンであり、これら3成分が木材の90%以上を占めている。セルロース(C6H10O5)n、ヘミセルロース(C5H8O4)n、(C6H12O6)n、そして化学式が複雑なリグニン。・・・省略・・・
木材はそのほとんどが炭素(C)、酸素(O)、水素(H)で構成されている。
http://www.jia-tokai.org/archive/sibu/architect/2013/09/ki.html
まとめ:無煙炭化器は環境にも良さそう!
まず無煙炭化器を使って焼いた感覚としては、通常何もせずに焼いた時よりも高温になっている感じがします。近くにいるだけでかなり熱く汗がかなり出ます。器の中が800℃~900℃の高温状態となると書かれていましたが、かなり熱いという感覚です。
そして、燃焼の仕組みと木の主成分を考えながら、外部から酸素をほとんど取り込まずに燃焼して、最後に炭として炭素(C)のみが残るには、木の中に含まれている酸素や水素のガスが燃焼時に使われているようにも感じます。
モキ製作所の記事の中にも煙が再度引き込まれて再燃焼と書かれているので、木から出てきたガスに含まれている酸素や水素の影響で外から酸素を取り込まずに、高温で燃焼するのかと予想しました。
また、無煙炭化器を使うと炭が大量に出来ます。今回もかなりの量の炭が出来ました。灰になると容量は3分1以下になる印象があるので、かなり炭素が残った状態なのかと思います。
通常に燃やしてしまうと、空気中の酸素を使って燃焼しながら、木の主成分である炭素が酸素と結合しCO2として結合してしまうので、灰になってほとんど焼いた後には何も残らないのですが、このように大量の炭が出来ているということは、二酸化炭素に使われず炭素が残っていると考えられますので、CO2の排出は少なく抑えられているのかと思います。
ということで、炭素(C)を残して燃焼させることによって、CO2の発生量は通常の野焼きに比べるとはるかに抑えられるという印象を持ち、通常野焼きするのに比べると環境への影響はかなり良いのかと思います。農業をするとどうしても環境への負荷をかなり与えてしまうので、このような所で持続可能な循環を創れるのは良い取り組みなのかと思います。
無煙炭化器のこの化学的な背景を理解すると、その環境への利益や、農業への応用可能性がより明確になります。興味深いですね!
炭を畑に蒔くとどのような効果があるのかはまた改めて調べて見たいと思います。
最後まで読んで下さりありがとうございます。
いぬいぶどう園