大粒ぶどうの秘密は葉っぱにあった?副梢(ふくしょう)管理の役割と重要性
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スーパーや直売所で見かける、大きくて甘そうなぶどう。

「どうやったら、こんなに大粒になるんだろう?」「家で作ったけど何故か大きな粒にならない」

そう思ったことはありませんか?

大粒にするには、花穂整形や摘粒など様々な作業が必要ですが、その中のひとつが「副梢(ふくしょう)管理」です。

今回の記事では、いぬいぶどう園で行っている副梢管理について、初めての方にも分かりやすくご紹介します。

目次

副梢(ふくしょう)管理とは?

ぶどうは春になると驚くほどの勢いで成長します。

新しい枝が伸び、葉っぱが増え、小さな実が付き始めます。

そしてその葉っぱの付け根から、さらに新しい枝が伸びてきます。

この横から出てくる枝を「副梢(ふくしょう)」と呼びます。

副梢管理とは、この副梢を整理しながら、ぶどうの木全体のバランスを整える作業のことです。

一見すると地味な作業ですが、大粒で甘いぶどう作りを支える重要な仕事なのです。

副梢とはどこから出てくる枝なのか

副梢は、今年伸びた新しい枝である「新梢(しんしょう)」の葉っぱの付け根から出てきます。

人間でいうと脇芽のような存在です。

最初は小さな芽ですが、暖かくなると一気に伸び始めます。

数日見ないだけで10センチ、20センチと伸びていることも珍しくありません。

ぶどうはとても生命力の強い植物なので、副梢も次々と発生してきます。

新梢(しんしょう)と副梢の違い

新梢は、その年に芽吹いて伸びるメインの枝です。

花穂が付き、やがてぶどうの房を育てる大切な枝になります。

一方、副梢は新梢の葉っぱの付け根から横に伸びてくる枝です。

簡単に言うと、

・新梢=主役の枝

・副梢=脇役として伸びる枝

という違いがあります。

主役である新梢は必要ですが、副梢が増えすぎると畑の中が葉っぱだらけになってしまいます。

そのため適度に整理する必要があります。

ぶどう栽培で副梢管理が行われる時期

副梢管理は主に5月中旬から7月頃にかけて行います。

特に花が終わり、小さな実が付き始める頃から副梢の成長スピードは一気に加速します。

この時期は毎日のように枝が伸びていくため、農家は何度も畑を見回ります。

一度切った副梢も、数日後にはまた新しい芽が伸びてくることがあります。

副梢管理は一回で終わる作業ではなく、収穫まで続く管理作業のひとつです。

なぜ副梢管理が必要なのか?

「葉っぱがたくさんある方が良いのでは?」

そう思われる方もいるかもしれません。

確かに葉っぱは光合成をするために必要です。

しかし、多すぎることも問題になります。

副梢管理は、葉っぱを減らすためではなく、ぶどうが元気に育つ環境を整えるために行われています。

葉が増えすぎると畑の中が暗くなる

副梢を放置すると葉っぱがどんどん増えていきます。

すると葉っぱ同士が重なり合い、畑の内部まで光が届きにくくなります。

房の周辺が暗くなると、ぶどうにとって良い環境とは言えません。

農家は光がやさしく差し込む状態を目指して枝葉を整理しています。

風通しが悪くなり病害虫の原因になる

葉っぱが密集すると風も通りにくくなります。

雨が降った後も乾きにくくなり、湿気がこもりやすくなります。

湿度が高い環境は病気の発生リスクを高める原因のひとつです。

また葉が込み合うことで害虫の発見も遅れやすくなります。

風通しを良くすることは、ぶどうを健康に育てるための基本でもあります。

木の栄養が分散してしまう

ぶどうの木が作り出せるエネルギーには限りがあります。

副梢が増え続けると、その枝や葉っぱを維持するためにも栄養が使われます。

すると本来大きく育ってほしい果実への栄養供給が分散してしまいます。

不要な副梢を整理することで、木の力を果実の成長へ向けやすくすることができます。

房や果粒の品質に影響する

ぶどうの品質は粒の大きさだけで決まりません。

甘さ、色づき、ハリ、房の美しさなど、様々な要素が重なって価値が決まります。

副梢管理によって光や風のバランスが整うことで、房の周辺環境も良くなります。

結果として、品質の高いぶどう作りにつながっていくのです。

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大粒ぶどう作りと副梢管理の関係

今回の記事で一番お伝えしたいことがあります。

それは、「大粒ぶどうの秘密は粒だけでなく、葉っぱにもある」ということです。

光合成を効率よく行うため

葉っぱはぶどうにとって栄養を作る工場です。

太陽の光を受けて光合成を行い、その養分を果実へ送っています。

つまり、葉っぱが元気に働くほど、ぶどうは大きく育ちやすくなります。

副梢管理は、葉っぱが効率よく働ける環境を整えるための作業なのです。

房周辺の環境を整えるため

房の周辺に適度な光と風が届くことは非常に重要です。

葉っぱが込み合いすぎると、房が葉の陰に隠れてしまいます。

副梢管理によって房の周辺環境を整えることで、ぶどうが健やかに育ちやすくなります。

糖度や着色にも関係する重要な作業

ぶどうの甘さは葉っぱが作り出した糖によって決まります。

また、黒系品種や赤系品種では着色にも光が関係しています。

副梢管理は直接糖度を上げる作業ではありません。

しかし、糖度や着色が良くなる環境を作るための重要な土台になっています。

「粒」ではなく「葉」を育てるという考え方

大粒ぶどうを作るために必要なのは、粒だけを見ることではありません。

農家は葉っぱを見ています。光が入っているか。風が通っているか。葉っぱが元気に働いているか。

実は大粒ぶどう作りとは、「粒を育てる作業」ではなく、「粒が育つ環境を作る作業」かもしれません。

そして、その環境作りの中心にあるのが副梢管理です。

大粒ぶどうの秘密は、実は粒ではなく葉っぱに隠されているのです。

いぬいぶどう園で行う副梢管理

副梢管理と聞くと、ただ枝を切るだけの単純な作業ですが、ぶどうの木は一本一本状態が違います。

勢いの強い木もあれば、少しおとなしい木もあります。

そのため、機械的に同じように切るのではなく、その木の状態を見ながら作業を進めています。

あまりに順調にチョキチョキ切っていると自分の手を間違えて切ってしまうことも少なくありません。先日も指をざっくりとハサミで切ってしまいました。

葉を1枚残して摘芯する理由

いぬいぶどう園では、副梢を整理するときに葉っぱを1枚残して先端を切ります。

「切るなら全部切った方が良いのでは?」と思われるかもしれません。

しかし葉っぱは、ぶどうにとって栄養を作る工場です。

全部切ってしまうと、その部分で光合成ができなくなってしまい、来年の芽が出てくるエネルギーが蓄積されないと言われています。

今年のぶどうの実がなっていない状態でも来年の事も考えながら作業を進めています。

作業中に確認しているポイント

副梢管理では、単純に枝を見るだけではありません。

農家は次のようなことを確認しています。

・房の周辺に光が届いているか

・葉っぱが混み合っていないか

・風が通る状態になっているか

・病気の兆候はないか

・木全体の勢いはどうか

副梢を切ることが目的ではなく、ぶどうが育ちやすい環境を作ることが目的なのです。

副梢管理をしないとどうなる?

もし副梢管理を全く行わなかったら、畑はどうなるのでしょうか。

実は様々な問題が起こります。

葉が込み合い日当たりが悪くなる

副梢は非常に成長が早く、放置すると葉っぱが密集していきます。

すると畑の中まで光が届かなくなり、全体が薄暗い状態になります。

ぶどうは太陽の光を利用して成長するため、日当たりはとても重要です。

湿気がこもり病気のリスクが高まる

葉っぱが増えすぎると風が通らなくなります。

特に梅雨時期は湿気がこもりやすくなり、病気のリスクが高まります。

風通しの良い畑づくりは、健康なぶどう作りの基本です。

房が見えなくなり作業効率も下がる

葉っぱだらけになると、房がどこにあるのか分かりにくくなります。

摘粒や袋掛けなどの作業もしにくくなります。

農家にとっては作業効率にも大きく影響する問題です。

美味しいぶどう作りが難しくなる

光、風、栄養。

そのバランスが崩れることで、ぶどう本来の力を十分に発揮できなくなります。

副梢管理は、美味しいぶどう作りを支える大切な基礎作業なのです。

実は何度も繰り返す終わりのない作業

副梢管理は、一度やれば終わりではありません。

これが農家にとって大変なところでもあります。

春から夏にかけて次々と伸びる副梢

気温が上がると、ぶどうは驚くほど元気になります。

昨日見たときには小さかった芽が、数日後には立派な枝になっていることもあります。

一度切ってもまた伸びてくる

せっかく整理しても、新しい副梢がまた伸びてきます。

まるで終わりがないように感じることもあります。

ぶどうの生命力の強さを感じる瞬間です。

農家が何度も畑を見回る理由

だからこそ農家は何度も畑を歩きます。

「切っても切っても伸びてくる」

そんなぶどうと向き合いながら、毎日少しずつ環境を整えています。

地味な作業ですが、この積み重ねが美味しいぶどうにつながっています。

副梢管理で畑の中はどう変わる?

副梢管理を行うと、畑の雰囲気そのものが変わります。

光がやさしく差し込むぶどう畑

葉っぱが適度に整理されることで、木の内側まで光が入るようになります。

房の周辺も明るくなり、ぶどうにとって快適な環境になります。

風が通る健康な樹づくり

風が通ることで葉っぱが乾きやすくなります。

湿気がこもりにくくなり、健康な樹づくりにつながります。

ぶどうにとって快適な環境とは

ぶどうも植物です。

暑すぎても困りますし、暗すぎても困ります。

光と風のバランスが取れた環境こそが、ぶどうにとって快適な環境なのです。

ヘルシーちゃんが動画で紹介しています

ショート動画で見る副梢管理

今回の副梢管理の様子は、いぬいぶどう園のマスコットキャラクター「ヘルシーちゃん」が分かりやすく紹介しています。

文字だけでは伝わりにくい副梢管理も、動画なら実際の畑の様子がよく分かります。

大粒ぶどうの秘密シリーズ第3弾

今回の動画は「大粒ぶどうの秘密」シリーズ第3弾です。

実は大粒ぶどうの秘密は、粒ではなく葉っぱにありました。

ぜひ動画でもご覧ください。

よくある質問(FAQ)

副梢は全部切った方がいいのですか?

いいえ。副梢の葉っぱも光合成を行うため、全て切るわけではありません。

来年の為に1枚残して切り落とします。

葉っぱは多いほど良いのでは?

適度な量が重要です。多すぎると枝を伸ばす方に栄養を使ってしまったりするので、ぶどうの種類によって残す葉っぱの枚数を変えています。

多すぎると光や風が入りにくくなり、逆に品質低下の原因になることがあります。

副梢管理は家庭菜園のぶどうでも必要ですか?

はい。

家庭菜園でも副梢管理を行うことで、日当たりや風通しが改善し、美味しいぶどうを育てやすくなります。

副梢管理はいつまで続けるのですか?

品種や栽培方法によって異なりますが、一般的には春から夏にかけて何度も行います。

まとめ|大粒ぶどうを支えるのは葉っぱの管理

光と風のバランスが美味しさを作る

ぶどう作りは、果実だけを見る仕事ではありません。

葉っぱ、光、風、栄養。

そのバランスを整えることが大切です。

副梢管理は大粒ぶどう作りの土台

副梢管理は決して派手な作業ではありません。

しかし、大粒で甘いぶどう作りを支える重要な土台となっています。

地道な積み重ねが美味しいぶどうになる

畑を何度も見回り、伸びた枝を整え、光と風を届ける。

そんな毎日の積み重ねが、美味しいぶどうを育てています。

次にぶどうを食べるときは、ぜひ葉っぱにも少しだけ注目してみてください。

大粒ぶどうの秘密が、そこに隠れているかもしれません。

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